2015年01月10日

読書記録2015年1月分

「少女」湊かなえ著
続々映像化され、日本でも屈指の有名作家のひとりかと思いますが、まだ読んだことがなかった湊かなえさんの著書。やっぱり一番有名どころの「告白」が読みたかったのだけど、とりあえず図書館にあったこの二作目を借りてきました。
新年一発目として、久々に読むのが楽チンな作品で、こういうエンターテインメント小説の醍醐味のような物にどっぷり浸かってしまった。
ブラックな要素も満載なのに、軽快に読み進んでしまうのは何故だろうか?女子高生2人のそれぞれの視点から書かれていて、口語調だからかな?
女子高生特有のどこかでいつも親友のことを親しみつつも妬むような視点って、リアルだなーと思った。ミステリー要素も含みつつ、劇的な展開もそれほどないのに、謎を解きたいあまりにずんずん読ませる力はすごいっ!
湊かなえさん、注目されてるだけはあるっ!崇高な文学性があるわけじゃないけど、こういう読ませ方をさせてくれる文章も、読書好きとしてはたまらなかった。
ドラマとかですでに映像で見ちゃってるものも多いけど、遅ればせながら読んでいきたいな、湊さんの小説。

「ワーカーズ ダイジェスト」津村記久子著
お義母さんが読み終えた文庫本を頂いて読みました。お義母さんとは好きな本のフィーリングは合う方なのに、これは久々にちょっとガッカリしちゃった作品でした。
うーん、正直どうでもいい、、って思ってしまった。まだ結婚していない32歳の男女の話なんだけど、たまたま二人が苗字と誕生日が一緒で運命感じる??じゃないけど、そっから二人がどうにか発展していくのかなーと思わせつつ、それぞれが職場で一悶着あったりが、殆どリンクしないところで展開していて、そのトラブルに関しても、何だか同情しかねる程度のもので、、、二人それぞれに興味が持てなかった。魅力的でない登場人物の行動を追うのもきつくなってきた頃、、、あれ?これで終わり??って終わり方をされ、更にガッカリ。
ここまで酷評しちゃうのも嫌だけれど、うーーーん、どうもダメでした。ゴメンなさい。

「告白」湊かなえ著
いやーーー、期待に違わず面白かった。まさに一気読み。
もっと早く読むべきだったなぁー、と悔しくなるくらい面白かった。
映画は見ていないのだけど、映像にしたらエグくなりそうで怖い、、、でも文学の良さは自分の想像したくない描写は自分の脳内で映像にしなくて済む処理を、自己の判断の中で行える良さにあるような気がしてならない。自分自身でフィルターをかけられるから。
語り部が章ごとに計4人、それぞれの視点から語られる事件にまつわるその前後を含めた心情や状況。誰もが被害者であり加害者である、、、そんな事をにおわせながら、やはり母親が子供に与える影響の強さを感じさせられずにはいられなかったです、私には。
どんなにひどいことをされたとしても、子供は母親の愛に飢える。私は十分な愛情を持って子供たちに接してあげられているだろうか、などと考えてしまう。
ともあれ、そんなこと関係なしにエンターテインメントとしてものすごく面白い小説だと思った。特に森口先生の語り口は、何とも非人間的というか、感情が込められてない淡々としたもので、そこに秘められたる憎悪がメラメラ隠れてる感じが怖くもありました。
やっぱり面白い思わせるのは、それぞれの人物にどこか同情すべき点があるからかな?と思いました。やはり人物に魅力を感じさせない小説って読んでいて面白くないと、私は思ってしまう。

「夜明けの街で」東野圭吾著
旦那が以前買って家の本棚にあった東野圭吾コレクションの中から未読の物を拝借して読みました。
内容的には可もなく不可もなくという感じでしたが、内容が「それまで浮気とか不倫とかする奴をバカにしていた真面目な夫であり、父親である男が本気で不倫して、、、」というものだけに、なんかちょっと我が家は大丈夫だろうか??とか、ちょっと馬鹿なことを不安に思ったり(笑)うちも子供中心の生活が当たり前になっているけど、たまには子供と関係ない話をする時間とかも大切にすべきかな?なんて思っちゃって、ストーリーを辿りながら反省すべき今の家庭環境について考えさせられた、私。
そんな事を考えながら読んでたせいもあるかも知れないけど、基本的には不倫するような主人公に感情移入できず、読み終えたところであまり感想という感想も出てこないわけですが、最後の最後に浮気をされていた側にあたる妻のは隠された激情を匂わせる描写にドキドキさせられました。ラストに爆弾仕込んだな〜フフ。

「夜行観覧車」湊かなえ著
何年か前にやっていたドラマは真剣に見させてもらってました。だからやっぱり小説を読む際にはどうしても邪魔になってしまうドラマで見た登場人物たちのイメージ。特に夏木マリさんが演じていた役の印象が脳裏に焼き付いて離れなかったら。小説を読む前に映像作品を見てしまうと、どうしても純粋に文学に対峙できなくなってしまう。
けれど、ドラマでは登場人物たちの表情や演技の中でしか表現されていなかったリアルな心情が小説の中には一人称は使われず、けれど独白する形で描かれているので、それぞれの立場からのそれぞれの思いがあった事がわかり、誰もが自分勝手だったんだなって思い、苦笑いしてしまう一方で、人間皆そんなものかもしれないと、どこか安堵する気持ちも湧いてきたりしました。
何冊かこれまで湊さんの作品を読んできて、彼女の作品は何か一連の流れの事柄を何人かの視点で描きながら、本質なんて事実なんてどこにもないんだよーって言わんとしている印象を受ける。実際、事実なんかそrぞれの人間の歪んだフィルターを通して映し出された映像の切り貼りだって事なのだ。

「母性」湊かなえ著
今月は湊かなえ月間だなぁー。「告白」があまりに面白かったので、次々図書館で借りてしまってるけど、これで一旦休憩をしようかな?(笑)
湊かなえさんの書く手法ってこれまでに読んだ四作どれもそうだけど、何人かの人物によって語られる形態を取ってます。
この作品も母と娘の2人の視点から描かれていて、母と娘という永遠のテーマを深くえぐって描いていて、自分自身、母親として娘として考えさせられる事の多い作品でした。
どんな時も娘は母親の愛を求めていて、それが大人になっても変わらず求めてしまう気持ちもわからなくはない。母親だって娘なんだ。子供を産んだからって、その瞬間から母親になるんではない。子供と一緒に過ごしていくうち、少しずつ親になっていくのだろうけど、私は少しずつでも親になれてるかな?
その点には大いに不安があるけど、この小説を読んで、親として一番に気をつけたいなと思ったことは、子供に親が願う人生を歩ませるのではなく、子供自身が自分で人生を切り拓いていけるように手を差し伸べてあげたいと言うこと。
なかなか自分の価値観を押し付けないって難しい。根本的には価値観って親から受け継がれるものが大きいと思うし、親が教えなくてはいけないことはとても多いけど、広い価値観でものを見られるように、様々な価値観を受け入れて社会生活を営んであげられたらと思う。
とは言え、そういう考え方自体、私の狭い価値観の一端なのかとも思ってしまう。人間の心理って本当に難しいですね。子育てって本当に難しい。

「さよなら渓谷」吉田修一著
何かの映画のDVDを借りた時に、この小説を映画化した作品の予告編が流れて、まずは読んでみたいなーと思って図書館の検索にかけたら、いつも通っている図書館ですぐに利用できたので借りてみた。
実際に起こった大学の大会系部活の部員による集団レイプ事件をモデルにして、その事件の被害者と加害者のその後の人生を描いた作品というべきなのかな?こういったデリケートな事件って、加害者はもちろん被害者にも社会的制裁が下されるという惨さがある。またそういう事件を引き起こしてしまうのは、部活の練習のハードさや上下関係の厳しさとかによって抑圧された生活の中から生まれてしまうことも確かなのだと思う。けれど、結局は心の弱さからくるものなのかな?
被害者女性のその後の人生も痛々しいもので、でも何だか最後はどこか気持ちがほっこりしました。
エグいテーマを扱っているようだけど、そんな事件に関わった人たちを最後は神様が見捨てないでいてくれたのかな?と感じさせてくれる小説でした。

「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」中山七里著
久々に読みました、中山七里さんの作品。これまで読んできたのは、デビュー作の「さよならドビュッシー」を中心とした音楽系ミステリーばかりでしたが、音楽の演奏の描写力が秀逸で、どの作品もミステリーとしては若干の拙さを感じざるを得なかったのですが、クラシックにとても興味を惹かれたし、私をクラシックの世界に誘ってくれた作家さんでした。まあ今もそれほどクラシックに詳しくなったかと言えばそれほどでもないのですが、それも中山さんの作品次第な気がしているくらい、中山さんの描く音楽の世界が好きです、、、が、今回初めて読んだ音楽モノ以外のミステリー。カテゴライズするとすれば、法廷モノと言えるかな?
今回も音楽のシーンがちょこっとだけ出てきて、そこが主人公における大きなターニングポイントとなっていて、シーン自体はとても短いのですが重要な場面でもあり、やはりそこの描写は流れるように美しくて、
中山七里さんの真骨頂はやはりここにあるのかな?と。
でもそれに続くくらい後半の法廷での争いの場面もとてもスピーディーに展開してくれて面白かったです。
でもやっぱり、ミステリーとしてはどこか稚拙な感じが否めないのです。展開が読めてしまうし、犯人や主人公の心理に寄り添えない。言って見れば、キャラクターの造形力が少し足りないのかな?と思ってしまう。
けれど、扱っているテーマがいつも興味深いので、私の知的好奇心を刺激してくれる作家さんとして、未読の作品にもトライしていきたいです。

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今月は湊かなえさんを中心に割とサラッと読めるようなものを読んでいたので、まあまあ冊数読む事ができたかな?
直木賞や芥川賞も発表され、本屋大賞もノミネート作品が発表されて読みたい本がいっぱい出てきました。
読みたい本はどんどん出るし、全く読む速度が追いつかない私。もっと早く読めるようになりたい。





















posted by ひかる at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする